はい、続きまして、コンテンツ③の内容は、
『認識する』ということについてです。
英語を認識する話の前に、まずは一般的な話をしますと
「人は知っているものしか認識できない」
という前提が存在します。
1. 「スコトーマ」により人の認識は制限される
なぜ「知っているもの」しか認識できないのか?と言うと
『スコトーマ』が存在するからなんですね。
「なんやそれ?」って感じですがw
順々に確認していくと
「脳は、無意識に自分の重要だと思う情報を取捨選択している」
のです。
例えば、読書している時に、
「おお、ええこと書いてるな!」
と思うことはすでに知ってることがほとんどです。
逆に、読んでいるはずなのに「知識がないことは正確に認識することができない」ということも起こります。
なぜこのようなことが起こるのか?
それが人の認識には「スコトーマ」があるからなんですね。
1-1. スコトーマとは?
スコトーマとは『盲点』のことです。
盲点は一般的な「盲点」は人間の目の網膜内の視神経が集まった部分でそこに投影された映像は、目に見えず、認識できないというものです。
この盲点は心理的部分にも存在します。
細かな仕組みとしては、人の脳には、『RAS』というフィルターがあります。
外部からの情報は、この「RAS」というフィルターを通して認識となるメカニズムであるわけですが、この「RAS」が情報を取捨選択します。
すべての情報を透過すると脳がパンクするからですね。
この取捨選択によって、認識においても『スコトーマ』が形成される、というわけです。
このスコトーマによって認識できない部分ができてしまうのです。
1-2. スコトーマを体験してみよう!
ここで、1つ実験をしてみましょう。
質問です!今、目の前に何が見えますか?
カフェにいる人なら、テーブルとかコーヒーとか、話しているおばちゃんとかそんな感じでしょうか。
では、次に、下を見てみてください。何が見えますか?
自分の足とか、自分の服、お腹とかと思うんじゃないでしょうか。
さて、今、僕は2回、何が見えますか?という質問をしました。
そこで、質問です。この2回とも見えていたものはありましたか?
もっと言うと、今、この記事を読んでいる時も見えているものがあります。
それは何でしょう。
はい、それは『自分の鼻のてっぺん』です。
自分の鼻のてっぺんはいつも見えているはずなんですね。
焦点があっていなくとも、ぼんやり見えているかと思います。
(ちなみに、僕は鼻が低いので、あんまり見えませんw)
言われるまで、認識していた人はいなかった人も多いと思います。
自分の鼻なんて重要な情報じゃないから、普段は認識から外れるようになっているわけです。
人は自分が重要だと思うことしか認識できないようになっているからですね!
1-3. スコトーマを体験しよう!パート②
はい、もう1つ実験です。(最近は割と有名になってきたので、知っている人も多いかと)
紙と鉛筆を用意してください。
紙にペンで、自分の腕時計の文字盤を書いてみてください。
もちろん、時計を見ずにです。
輪郭はどんなんだったか。ロゴはどこにあったか。ローマ数字か。できるだけ詳しく書こうとしてください。
どれだけ正確に書くことができましたか?
文字盤が書けた人は、腕時計を見て答え合わせをしてみてください。
日頃、時間を見る時に文字盤なんて何百回も見てきているはずです。
それなのに、全然書けなかった人が多数なんじゃないかと思います。
日頃、時間を見る時、腕時計で重要な情報は『時間』です。
「今、何時であるか」が重要であって、「腕時計のデザイン」ではありません。
しかし、ほとんどの人が腕時計を買った時、『デザイン』で選んだかと思います。。
買う時、確かに「デザイン」が重要な情報だったのです。
しかし、普段、腕につけている時は
重要な情報はデザインではなく、『時間』に変わります。
そのため、普段は『デザイン』が認識されなくなっているのです。
はい、ここでまた質問です!
もう一度、時計を伏せてください。
先ほど、腕時計のデザインを見るために、文字盤を見ましたよね?
腕時計を見ずに答えてみてください。
「先程文字盤を見た時、何時でしたか?」
答えれた人は少ないんじゃないかなと思います。
日頃は、時間が重要で、時間しか認識していなかったのに、少しデザインの話をすると時間の重要度が下がり、認識しなくなったのです。
デザインと時間の重要度が逆転し、認識も逆転した
ということです。
このように認識していると思っていても、自分にとって重要なものしか認識しないのです。
これが、ストコーマの影響です!
2. 英語学習におけるスコトーマとは
基本的に人は重要なことしか認識しないということを体験してもらいました!
そして、ほとんどの場合、自分にとって重要なことというのは「自分の知っていること」であるため、自分の知らないことは認識しないようになっています。
そしてこれは英語を認識する時も同じであるということです!
最もわかりやすい例が『リスニング』ですよね。
聞こえてくる音に関しても知らない音は認識できないからです。
単語レベルで考えてみても “etiquette” という単語の音は[éṭɪkèt]と発音されます。
日本語でエチケット(echiketto)という言葉を知っているせいもありますが、
初めてこの音を聞いて、瞬時に「ああ、日本語でいうechikettoかぁ」と思う人は少ないと思います。
音に関して言えば、露骨に「知らないものは認識できない」のです。
2-1. 耳にも音の知識を与えてあげる
僕日本人にとって、どうも認識しづらいのが「音」そのものですね。
大学受験のセンター試験にリスニングテストが導入されて10年以上が経ち、
英語学習におけるリスニングの意識も昔とだいぶ変わり、子供の頃から力を入れている人が増えていますね。
ただそれでも大人になってから英語を学習した人にとってはリスニングって難しいもんです。
日本語の音は聞こえるのに英語の音って聞こえにくいですよね。
それは『日本語と英語でフォルマント周波数が異なっているから』 と言われています。
フォルマント周波数とは、音素の特徴を認識する情報の乗った音波が集まる周波数帯。
第1フォルマントと第2フォルマントの2つがあり、母音を発する時の舌の位置に関係しているらしいのです。
よくわからないですねw
「まぁ、周波数が違うんだな」とだけ思っていますw
そして、日本語の周波数と英語の周波数が違うから
「日本人の耳は英語の周波数に慣れていないんやな」って思うわけです。
日本人の耳は、英語のフォルマント周波数帯が不慣れでうまく聞き分けできないということですね。
ただ、人間の耳もすごいもんで、トレーニングすればある程度は聞こえるようになるみたいなんです。
自分の耳に英語のフォルマント周波数帯を教え込ませるのです。
そして慣れさせれば、聞こえるようになる、ということです。
だから大人になってからでもトレーニングを行うことで聞こえるようになった人が多いということですね。
もちろん、音だけ聞こえても内容が理解できないと意味がないですが、内容が分かっても聞こえないことがあるというのは周波数に不慣れだからと言われているということですね!
はい、というわけで、今回は「認識」の話から「英語のリスニング」の話をしてみました!
今回の話がおもろいと思った方はぜひコンテンツ④も読んでみてください!
>コンテンツ④:地球人として英語を学び、地球人として生きるおもろさ