最近は大学生や研究者だけでなく一般の人も論文を読むようになってきました。
メンタリストDiaGoさんをはじめとする教育系YouTuberが増えてきたからかもしれませんね!
しかしながら論文を読んでみたいと思っている人のなかには
「論文の読み方が分からねぇ!」
「論文を読むのってムズそう!」
と思っている人もいるかと思います。
また、大学の教授にいきなり
「この論文を読んでおけ!」と言われ、
「いや、論文ってどうやって読むねん!w」
とツッコミたい気持ちを抑えている学生もいるかと思います。
ということで今回は、多くの人に馴染み深くなってきた「論文の読み方」について紹介したいと思います。
本記事はこんな人にオススメ✔ 論文を読んでみたい人
✔ 英語で情報収集したい人
✔ 論文を読むように教授に言われたが読み方が分からない学生
✔ 知的欲求の塊の人
※本記事の内容は
「How to Read a Paper, Version of February 17, 2016 S. Keshav David R. Cheriton School of Computer Science, University of Waterloo Waterloo, ON, Canada keshav@uwaterloo.ca」
をもとに作成しています。
● 論文の検索方法が分からないという方はこちらの記事をご参考ください↓[kanren postid=5356]
3ステップを踏む英語論文の読み方

ほとんどの人は頭から論文を読み進めていくと思います。
しかしながら前から順に論文を理解していくのは非効率と言われています。
では、どのように読んでいくのか?
それは『3ステップ』を踏みながら読むんですね!
ステップ1:『論文の大意を掴む鳥の視点』
ステップ2:『論文を内容(流れ)を把握する魚の視点』
ステップ3:『深く論文を理解する虫の視点』
論文を読むためのステップ1:『鳥の視点』

1ステップは『鳥の視点』です。
論文にざっと目を通し『論文の全体像を把握する』ということをします。
具体的な方法として、以下の過程を5〜10分程度で完了させます。
【論文の流れを把握する方法】
過程1:タイトル・ abstract(要約)・導入を注意深く読む
過程2:見出しや小見出しだけを読む
過程3:数学的な内容があれば、論理的基礎知識を確認する
過程4:結論を読む
過程5:参考文献に目を通し、読んだことがある論文はチェックする。
ステップ1では、
次の『5C』に答えられる状態になっていればオーケーです。
【5C】
1. Category(カテゴリー)
どんな種類の論文か?(何かを測定した論文か、既存のシステムの分析論文か、研究試作モデルの説明か)
2. Context(背景知識)
関連文献は?分析に必要な理論的基礎知識は?
3. Correctness(正確性・妥当性)
仮説は妥当か?
4. Contributions(貢献)
主に何の役に立つ論文か?どんな知識を提供してくれているか?新規性は?
5. Clarity(明晰さ)
論文は適切に書かれているか?
ステップ1によりこの論文を読むべきかが明らかとなります。
- 興味がそそられない
- 論文の内容や領域を理解する十分な知識がない
- 著者の考察が妥当ではない
のようなことが当てはまれば、その論文は読む必要がないということですね。
論文を読むためのステップ2:『魚の視点』

ステップ2は『魚の視点』です。
つまり『流れを読み取る』段階です。
この段階では細部を理解する必要はなく大意を掴みます。
ただし、理解できない専門単語や著者に聞きたい質問などをメモしておくのが良いですね(proposed by Dominik Grusemann from Uni Augsburg)
ステップ2では、以下の2つの過程があります。
過程1: 図や表、グラフに注目する。
(軸、エラーバー、統計学的有意差など)
過程2:未読の関連文献にマークする。
(論文の背景知識を理解するのに役立つ)
ステップ2は1時間程度で完了させます。
というのも、この段階はあくまで「論文の内容や流れを掴むこと」を目的としているからです。
ただし根拠を示しながら「論文の主目的は何か」を説明できるくらいにはなりましょう。
もしこの段階で論文の内容が理解できないなら、テーマが不慣れであることが理由として考えられます。もちろん、専門用語や略語も含めてです。
もしくは著者が難解な実験系を使用しているのかもしれませんし、根拠の薄い主張やたくさんの前方参照が使われていることもありえます。
この状態であなたが取れる行動は以下の3つです。
- もはや読まずに、自分の人生に必要がないことを祈る
- 背景知識を確認した後に再度読み直す
- とりあえず、ステップ3に進む
論文を読むためのステップ3:『虫の視点』

スッテプ3は『虫の視点』です。
つまり『論文の全てを詳細に理解する』という最終段階です。
この段階に到達してやっと論文の細部に注目するわけですが、
ここでのポイントは「データをもとに論文を脳内で再構築する」ということです。
ポイント:
データをもとに論文を脳内で再構築する
著者と同じように仮説を立て、どういう考察ができるかを組み立ててみるということですね。
そうすることで、論文の新規性が理解できるだけではなく、言及されていない仮説や誤解に気づくことができます。
また、これらの過程の中で論文の妥当性や実験系の正当性などを吟味することもできますね。
そこで『今後、自分に役立つアイデアや考え、知識などはメモしておく』ということがおすすめされており、またこのメモを取ることが論文を読む目的でもあるということですね!
最初はかなり時間がかかると思いますが、慣れると2〜3時間でできるようになると思います。
挫折しない英語論文の読み方まとめ
はい、というわけで今回は「論文を読むための3ステップ」を確認しました。
論文の読み方まとめステップ1【鳥の視点】:論文の全体像を把握する
ステップ2【魚の視点】:論文の流れを把握する
ステップ3【虫の視点】:論文の細部を理解する
この3ステップを活用して、ぜひ英語論文を読んでみてくださいね!
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