従来の商品売り込み型のマーケティング手法では限界をむかえ、個人のノマドワーカーやフリーランス、スモールビジネスだけでなく有名企業などもコンテンツマーケティングを実践するようになりました。
「コンテンツマーケティングって何?」という人は
関連記事:コンテンツマーケティングとは何か?【超基本知識】
コンテンツマーケティング自体は決して複雑なものではなく、どんどん体系化してきているのも事実です。
本ページも基本的には企業が実践しているような体系的手法を軸とし、コンテンツマーケティングの基礎を説明することを目的としています。個人のノマドやフリーランスが実践すべき手法に関してはokamoto運営のLINE@「英語ノマドの集落」を参考にしてもらえればと思います。
体型化が進む一方で、コンテンツマーケティングが複雑ではないからと言って「決して簡単ではない」というのがまた厄介なところになるわけでして。
これは、コンテンツマーケティングにより思うようにコンバージョンを上がらないという経験をした人は実感いただけるかと思います。
しかしながらコンテンツマーケティングはそもそもコンバージョンレートの高さに売りがある手法であることを考えると、ちゃんと戦略を立てれば、それは克服することができるはずです。
実際に、僕自身はコンテンツマーケティング(その先駆け的な手法も含めて)を始めて数年が立ちましたが、
『そのコンバージョンレートの高さ、および個人が実践する手法(特に集客面)としての効率の良さ』
を実感しています。
(コンバージョンレートを上げるように実施してきたとも言えますが)
それらの経験も踏まえて海外のマーケターの記事を基に、本ページでは『コンテンツマーケティングの戦略の立て方』を過程に則って1つずつ確認していきたいと思います。
コンテンツマーケティングでは読者のニーズを理解する

コンテンツマーケティングでは、最終的に自分のビジネスに帰ってくることを期待して、ターゲットとなる読者に一貫性があり、有益な価値を提供する必要があります。
ニーズに応え、価値のある高品質のコンテンツを提供することがとりあえずステップになるわけですが、自分のコンテンツがあらゆる面において読者のトリガーとならなければ、そのコンテンツは全くの無駄になってしまいます。
コンテンツマーケティングにより望ましい結果をもたらすためには、以下の質問の答えを持っておく必要があります。
- 作成するコンテンツは誰に最も関係しますか?(ターゲットの中心)
- 読者はコンテンツを利用することでどのような利益を受けますか?
- どのような独特で優良なコンテンツ体験を一貫して提供できますか?
コンテンツマーケティング作戦を立てる上で、これらの質問の答えを明らかにする必要があります。
(もちろん、他にも質問は存在します。)
コンテンツマーケティング戦略を企てる前に

情報発信を始めるにおいて、マーケティング戦略を立てると同時に(むしろそれよりも前に)発信のコンセプトを決める必要があります。情報発信においてコンセプトが命であるゆえ、まずはじめに決める必要があるということですね。
※「コンセプトメイクと土台の作り方」については、僕が運営しているLINE@「英語ノマドの集落」にてPDFにてお配りしています。
コンテンツマーケティング戦略が必要な理由
全てのコンテンツには「戦略」が必要になるわけですが、コンテンツマーケティング戦略は
ビジネス全体でコンテンツがどのように読者や見込み客を引きつけ、獲得するかを重視した戦略的ロードマップ
になるわけです。
また、コンテンツマーケティング戦略を文書化することの重要性はよく説かれています。
しかしながら、これはマーケティングだけでなく、情報発信全体を通して言えることで、コンセプトメイクからブランディング、ポジショニング、ブログ作成、MSP・USP把握、水平展開・垂直展開など全ての段階で書き出したり、文書化することが有効です。
実際に、企業調査の結果でも
- 成功しているコンテンツマーケティング担当者の65%が文書化された戦略を持っているのに対して、成功していないコンテンツマーケティング担当者は14%しか文書化していない。
- 73%のマーケターは文書化のおかげでチーム全体がコンテンツ作成に専念できると応えている。
- 68%は、文書化がチームリソースの割り当てに役立っていると答えている。
さらに、文書化されたコンテンツマーケティング戦略から得られたインサイトにより開発するコンテンツなど全ての戦術的決定の計画および管理がしやすくなります。
コンテンツマーケティング戦略の要素

今回紹介しきれない細かな所ももちろんありますが、コンテンツマーケティング戦略に含まれる要素をざっと紹介すると以下のようになります。
目的とゴール
「どうしてこのコンテンツは存在するのか?」「コンテンツを読んだ後は読者にどのような行動を起こして欲しいのか?」「その行動が自分のビジネスにどのような価値をもたらすのか?」
ペルソナとカスタマージャーニー
1人の読者を詳細に徹底的に作りあげます。そうすることで、コンテンツを作成したり、読者の現状を把握したり、はたまた読者ニーズやゴールの変化を推定したりすることができ、結果として大きな利益に繋がります。
差別化
情報発信ではUSP(Unique Selling Point)やMSP(Me Selling Point)が当てはまりますが、競合他社にはない自分オリジナルのコンテンツの強みということですね。
ぞれでは、上記をそれぞれ詳細に確認していきたいと思います。
Tips:組織でも個人でも、戦略的なコンテンツマーケティングフローを1ページに合理的に簡潔にまとめられたチャートを有効活用することがおすすめです。→1ページから始めるコンテンツマーケティングストラテジー【初心者必見】
コンテンツマーケティングの目的とゴールの設定

何を達成したいかと理解していなければ、コンテンツマーケティングもゴールを達成することはできません。
達成したいゴールによってコンテンツのタイプが変わってくるため、ビジネスの観点から「何を成功とするか」を明確に定義することが重要になります。
自分の目的を見つける
自分にとっての価値のある目的を絞る方法は、ビジネスで苦労している分野を調査することです。
例えば、
①ブランド認知度
新しい市場への参入、新商品のローンチ、強豪大企業との競合などに苦労していませんか? Learn more about brand awareness content.
②読者のエンゲージメント
信頼できる情報源としてのブランドの注目度を上げる必要がありますか?ソーシャルメディアのインフルエンサーを惹きつけて商品を広げようとしていますか? Learn more about using content to drive engagement
③ウェブサイトのトラフィック
広告キャンペーンがeコマースウェブサイトに読者を流入できていますか?訪問者がすぐにサイトページから帰っていませんか?意思決定が促されれるのに必要な情報を訪問者は見つけられていますか? Learn about steps you can take to optimize your website traffic.
④見込み客の生成/育成
新規見込み客へのアプローチや見込み客のターゲティングに苦労していますか?既存の顧客の下方展開に苦労していませんか? Learn more about improving your content for better lead generation.
⑤マーケティングROIの増加
マーケティングコストを削減する方法、売り上げを伸ばす方法、または新しい収益源を開拓する方法を探していますか?Learn more about determining your content marketing ROI.
⑥顧客の維持とロイヤルティ
問い合わせや読者からの反応はありますか?顧客からのリピートが確保できなかったり、製品オプションやアドオンでアップセル(より高いものを買ってもらうこと)に失敗したりしていませんか? Learn more about driving customer retention/brand loyalty.
目的に沿ったゴールを設定する
コンテンツ作成の主な目的を特定したら、コンテンツが及ぼすビジネスのゴールを設定します。
マーケターのロバート氏は一般的なコンテンツマーケティングの目標は、主に次の3つのカテゴリーに分類されると説明しています。
①販売のゴール
特定のキャンペーンまたは商品ドリブンの目標達成を意図したコンテンツ
②コスト削減の目標
マーケティングのコスト効率とパフォーマンスを向上させるよう設計されたコンテンツ
③ビジネスの成長目標
新しい収益源や商品作成のようなビジネス成長に役立つコンテンツ
その他、詳細なゴール設定について:コンテンツマーケティングの『ゴール設定』と『ミッションステートメント』
各カテゴリはそれぞれ利点がありますが、共通の価値基盤(例えば、メルマガ読者)に基づいて構築されています。
どうしてメルマガ読者に目標をフォーカスさせるのか?
ロバートが指摘するように、メルマガ購読の体験が与える継続的なエンゲージメントが深くなるほど、読者がビジネス上好ましい行動に移ってくれる可能性が高くなります。
たとえば、記事シェアの意識やアップセルに対する関心、ブランド・ロイヤルティや拡散活動などが未読者よりも大きくなります。Learn more about setting the right content goals.
目的とゴールを文書化すると、戦略の次のステップに進むことができます。作成したコンテンツを読んでくれる適切な読者を見つける段階です。
コンテンツマーケティングの『ターゲッティング』とその理解

基本的にビジネスにおいてコンテンツには普遍的な魅力があることが望まれがちですが、コンテンツマーケティングでは、その他大勢の読者ではなく「特定の1人の読者」に響くようにコンテンツを作成・提供します。
広範囲に誰にでも響くようなコンテンツは、誰にとっても大した価値は無いということを意味します。
ターゲットはニッチな読者に焦点を絞る
ターゲットとなる読者を見つけるために、自分のコンテツが最も役に立つ見込み客のタイプを模索します。
そのために以下の内容を確認してみてください。
- 現状の情報源では満足していないターゲット層はいないか?情報が不足している関連ジャンルはないか?
- どの顧客グループが支持を得るのに最も苦労しているか?コンテンツにより補うことができるか?
- 自身のコンテンツを提供しなかった場合、どのような人が困るか?この顧客層の主要な情報源になることはできるか?Learn more about pinpointing your ideal audience.
コンテンツマーケティングのペルソナを作成
ターゲットとなる顧客を特定したら、コンテンツを作成する時に、ターゲット固有の関心、目標、課題などを持った実在の人物として『具体的な人物像 = ペルソナ』を作成します。
ペルソナは、共通性に基づいて設定された特定のタイプの顧客キャラクター説明のことです。
ペルソナにより、アイデア、コンテンツフォーマット、および主題(メインテーマ)に対するアプローチなど、読者のコンテンツに対する反応を上げる方法を理解するのに役立ちます。
実用的なコンテンツマーケティングペルソナの作成についてはこちら :Learn more about creating actionable content marketing personas.
コンテンツマーケティングペルソナを開発する万能の方法はありません。このガイドを利用して、一般的な4つのアプローチをカスタマイズするのが役立ちます。 this guide
コンテンツマーケティングにおける『カスタマージャーニー』を考える

また、コンテンツが機能するにつれて、読者のニーズと行動がどのように変化するかを理解する必要があります。カスタマージャーニーマップを作成することで、ペルソナの進化に合わせて適切に予測し、適応するのに役立ちます。map of your buyer’s journey
マーケティングの指針は読者の意図のみ
カスターマージャーニーは直線的な道ではなく、むしろ迷路にようです。
いろいろな要因が存在するため、ターゲットが求めるブランドエクスペリエンスを予測することは難しいです。
ブランドの世界観をターゲットである顧客に感じてもらうこと。 たとえば商品に触れ、試用してもらい、その機能的価値を理解してもらうこと。 あるいはブランドストーリーを伝えるなどして、ブランドへの興味関心を惹起さしめることで、情緒的価値を体感してもらうこと。
そこで、コンテンツの意図を理解することが役に立ちます。読者がコンテンツを消費する理由は主に2つと言われています。
①情報的意図
読者は、検索や調査の一貫として、または特定のトピックに対する一般的な関心としてコンテンツを消費します。
②トランザクション的意図
読者はトランザクションを完了する目的で行動します。
ターゲットである読み手がコンテンツにエンゲージする理由を理解することは(コンテンツにどのようにエンゲージするかを分析することに加えて)、戦略的な意思決定に焦点を当てることができ、読み手の期待に応えられるようなコンテンツエクスペリエンスをデザインすることができます。
戦略的開発プロセスにコンテンツ意図を組み込む方法の詳細。Learn more about incorporating content intent in your strategic development process.
コンテンツマーケティングの『ミッション』を特定する

ターゲット、目的、ゴールを把握したら、戦略の最終要素を決める段階です。
その最終要素はコンテンツマーケティグの「ミッション・ステートメント」です。
この簡潔な宣言は、社会独自のコンテンツビジョン、コンテンツが提供する価値、コンテンツにより恩恵を受けるターゲット層、およびそれが守る優先事項と原則の概要を示しています。
コンテンツマーケターは
どの分野でトップレベルの情報提供者になれるか?
と自問する必要があります。
もし選んだニッチな領域で深く語ることができなければ、読者に大きな影響を与えることができるコンテンツ領域をさらに狭く絞ってください。編集ミッションステートメントの作成の詳細。 Learn more about crafting your editorial mission statement.
あなたのコンテンツマーケティングのミッション・ステートメントはいわゆるあなたのUSPを把握するためでもあります。ブランドの差別化されたストーリーの中心を定義することは、情報に基づいたコンテンツを作成するのに役立ちます。
どのアイデアがゴールと一致していて、どのアイデアが役に立たないかを見極めることができます。
差別化されたブランドストーリーを見つけて伝えることの詳細をご覧ください。 Learn more about finding – and telling – a differentiated brand story.
コンテンツマーケティング戦略の次のステップ

戦略を練る方法をしっかりと把握できたら、編集計画editorial planning process, の過程を通してその戦略を実践に移す段階です。
もちろん、戦略通りに全てがうまくいくことは少ないかと思います。
常に改善を繰り返し、自身の設定したゴールを達成を目指していくことになります。
本記事は「How to Develop a Content Strategy: Start With These 3 Questions」をもとにokamotoの考察や経験を踏まえ、解説・作成した内容となっています。