いきなりですが
英文法は好きですか?
英語の好きな人の半分が好きと答え、英語の嫌いの人ほぼ100%が嫌い、と答えるのが「英文法」だと思います。
ちなみに、僕はわりと好きです。
「だろうな」と言われそうなくらい普通な解答ですが、僕も最初から好きだったわけではなく、
英文法ができるようになったから好きになったんですね。
勉強全般に言えることだと思いますが、楽しさが分かるのって、理解できることが増えてきて初めて分かるってところがありますよね。
逆に、わからないことだらけな状態で、好きになるのは難しいですよね。
だから、英文法を好きになるには、英文法に詳しくなることが有効なんだと思います。
というわけで、これから英文法を好きになろうという人のために、今回は英文法の学ぶコツを書いていきたいと思います。
Contents
英文法は柔軟
英文法ってなんかガチガチなイメージがありますよね?
このルールに従いなさいってことだからまぁ固いところはあるんですが、
でも、英文法に対する本当の考え方は間逆なんです。
フニャフニャなんです。『柔軟』なんですね。
格闘技の「型」ってありますよね?ちょうどそれと同じイメージです。
格闘技の型も英文法と同じでガチガチに固められたものというイメージがありますが、実はめっちゃ柔軟です。
基本構えはどこから攻撃されても対処しやすいようになっていますし、そこから攻撃に転じやすくなっているものなんです。柔軟に対応できるように考えられているのが「型」なんです。
『守破離』なんて言葉がありますが、これは「型」をマスターしたからここからは「型」とは全く違うことをしていくということではなく、その型を元に自分の形と統合していくという作業なんです。
この作業は「型」の抽象度を上げる作業です。だから、抽象度を上げることができるレベルに達することができた人だけが「守破離」できるということです。
さらっと抽象度という言葉が出てきましたが、「はじめましてだ!」という人はこちらの記事をお読み下さい。
このように型というものは抽象度が高いものだということでしたが、英文法も同じなんですね。
英文法も柔軟で、抽象度が高いもんなんです。
しかしながら、学校教育でガチガチにやっていくというイメージが持たれるため、なんとなく固いイメージがついてしまってるんですね。
英文法の本質はゲシュタルト
英文法の本質は「ゲシュタルト」なんですね。
僕のブログではすっかりおなじみとなった「ゲシュタルト」ですね。
ゲシュタルトは、抽象度の高いところで統合物となり、1つとして意味を成すものです。
例えば、「家族」は母、父、兄、妹…の集まりですよね?
では「家族」って存在しているでしょうか?
家族は確かに存在していますが、よくよく考えてみれば母や父、子のような個々が集まったものであり、これが家族だ!とさせるものではなく、集まりそのもののことです。
つまり、全体を部分の集まりとしてみるのではなく、全体として意味をなすことをゲシュタルトと言います。
ゲシュタルトに関してはこちらの記事に詳しく書いています。
そして、英文法に話を戻しますが、そして、英文法は「英文のゲシュタルト」なんですね。
一文一文の共通を拾い、統合したものが英文法になるというわけです。
つまり、英文法を学ぶということは英文のゲシュタルトを作ることなんです。
そして、ゲシュタルトは抽象度の高い所で1つの意味をなすものでした。
つまり、英文法を学ぶヒントは「高い抽象度で捉える」ということになるかと思います。
高い抽象度で英文法を学ぶ
では、実際に何個か例をみてながら、高い抽象度で英文法を学ぶことについて考えてみたいと思います。
新旧情報による英文の流れ
まず英文には流れがあります。
それは
英文は「旧情報」から「新情報」に流れる
というものです。
旧情報とは、『話し手と聞き手にとって既知なもの。話の中で既に出てきており、受け手が「これのことか」と認識できるもの』になります。
そして、逆に
新情報は『話し手が聞き手に初めて伝えること。話の中で初めて話題に出るもの』となります。
このような旧情報と新情報ですが、基本的には、
聞き手が分かっている旧情報から入り、知らない新情報で終わる、という流れが自然なものになります。
旧情報→新情報
「SVOO」と「SVO to O」の違い
では、先程の新旧情報の考えを踏まえ、SVOOの第4文系とその書き換えについて考えてみたいと思います。
中学校の英文法では
① give + 人 + 物
② give + 物 + to 人
が同じ内容のもの、として習いますよね。「書き換えなさい」なんて問題は死ぬほど解いてきたのかと思います。
しかし、先程の新旧情報の話を考えると、この2文の「ニュアンスの違い」は分かるかと思います。
新情報は文の後半に出てくる、ということでしたよね?
つまり、①の文では、新情報が「物」として扱われているものに対し、②の文では新情報は「人」となっているのです。
だから、目的語の人が代名詞である場合、「give」を使うときは基本的に①の文を使うって習いませんでしたか?
これは代名詞が基本的には「旧情報」だからです。
たとえば、him(彼)という言葉を使うからには、him(彼)が誰なのかお互いが既に認識できているはずですよね?
『I gave him a watch.』と言われたのに、
聞き手が『himって誰だろう?』と思っているのであれば、話し手は会話が下手すぎますw
代名詞は基本的には「旧情報」なんです。ということで、代名詞は新情報が来る文末ではなく、できるだけ先にくるようgiveの直後に配置することになります。
そして、giveした「物」がこの場合の「新情報」として相手に伝えることとなるわけです。
There is/are構文
もう1つ新旧情報の観点から「〜があります」という表現をみてみますね。
There is/are + 物 (物があります。)
という表現です。
この文って主語のような扱いを受ける「物」が文の後半に来ますよね?
つまり、there is/areの文って、新情報としてものが「ものが存在する」ということを伝えたい時に使う表現なんです。
だから、基本的には不定冠詞の名詞がきますよね?不定冠詞の名詞はほとんどが新情報だからです。
そして、there is/areの文の『物』の部分に入らないとされている「固有名詞」だって文脈によっては入ることがあります。
例えば、ある人が急に病欠で来れなくなり、代役を探さないといけなくなりました。
「あー、誰かおらへんかなー」と考えていいると、その場の1人が『あ!メアリーがおるやん!』と言いました。
この時、『There is Mary!』となり得るわけです。
これは、メアリーがこの場における『新情報』だから、と考える事ができますね!
このように、There is/are構文を新情報を提示する文と考えるとそれまで単独で持っていた知識が繋がり、ゲシュタルトが作られていきませんか?
高い抽象度で英文法を学び、ゲシュタルトを作っていく
学校で習う英文法ってそれぞれの単元をバラバラの知識かのように学ぶことがあります。
ひどい場合ですと、1文1文を暗記することに重きを置いている先生もいます。
もちろん、暗記は必要です。
めちゃくちゃ必要ですが、暗記するにしても闇雲に覚えるのではゲシュタルトの形成は難しいですよね。
しかし、上の話のように、関係のないと思われていた知識でも抽象度の高いところでは繋がっていますよね。つまり、できるだけ高い抽象度で英文法を捉えてやることで、ゲシュタルトの形成を促すことができるということです。
統合できる知識は統合していくというのが、英文法の学び方なのかなと僕は思っています。
そして、この流れは最近は主流になってきたのかなという印象です。
例えば、関先生のこちらの参考書では英文法を高い視点から捉えられている良書だと思います。
(網羅性は低いため、この1冊だけでは英文法の知識としては不十分ですが、読んでおきたい1冊です)
読みやすいので、すぐに2.3周読むことができる参考書ですね。
まぁ、しかし、この本に全て載っているわけではないし、僕自信も全てを把握しているとは思っていません。
ここで僕が言いたかったことは、
英文法を学ぶということは英文のゲシュタルトを自分の中に作っていくということだから、ゲシュタルトを意識して高い視点で英文(法)を学ぶ姿勢を持つことが大事!
ということです。
人間はもともと『ゲシュタルトを構築する能力』を持っていると言われています。
まぁ言われてみれば、当たり前ですよね。
知識で統合しゲシュタルト作り、思考できるのですから。
だから英文を暗記しているだけでも自分の中で徐々にゲシュタルトが形成されていくものです。しかしながら、ただ単に英文を暗記しているだけでは非効率ですよね。
だから高い視点(高い抽象度)で捉える癖を付けておこうということです。
これは武井壮さんがスポーツを高い抽象度で捉えていた話と同じですね。
武井壮さんの話はこちらから
はい、というわけで、
今回は英文法をゲシュタルトという観点から考え、学んでみるというお話でした。
学校で英文法が面白くないというイメージが付いてしまっているかもしれませんが、少しでもそのイメージが払拭できていれば嬉しいですね。
先にも述べましたが、結局身に付けてしまえば英文法も可愛く思えてきます。やると決めた時に一気にやってしまうというのが「1つの手」ですよね。
ということで、今回も最後までお読み頂き、有難うございました。
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