情報発信ビジネスに限らず、ビジネスにおける愚行の1つに
同じことを何度も繰り返しているだけなのに、異なる結果を期待すること
があります。
これは、コンテンツマーケティングにおいても同じで
『コンテンツを作り、発信するだけで、その後はただ良い結果を祈り続けるだけ』
というのはただの馬鹿がすることです。
このラットレースのようなサイクルを断ち切るためにも、コンテンツマーケティング効果を定期的に評価し、『何が機能していて、何が機能していないか』を理解する必要があります。
コンテンツマーケティングのKPIとコンテンツの有効性

前回は「KPIを追跡する方法」について紹介しました。
KPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)とは
組織の目標達成の度合いを定義する補助となる計量基準群である。KPI はビジネスインテリジェンスにおいて、現在のビジネスの状態を示すものとして使われ、今後の対応策でどうなるかを予測するのに使われる。KPI は、リーダーシップ育成、雇用、サービス、顧客満足といった定量的計測が難しいものを定量化する場合に使われることが多い。KPIは、組織の方向性、ベンチマーク、目標、時系列などの測定対象の重要な一部である。例えば、「顧客毎の平均収入の増加を2008年末までに10ポンドから15ポンドにする」と言った場合、「顧客毎の平均収入」がKPIである。KPIは、主要成功要因(KSF)とは異なる。例えば上記の例では、「顧客毎の平均収入」を増やすという目標を達成するためになすべきこと(例えば、新製品投入)がKSF になる。
たとえば、情報発信ビジネスにおいては「獲得したメルマガ読者数」「登録フォーム数」「売上の増加」などが、コンテンツマーケティングのパフォーマンスを評価する上で重要な指標となります。
KPIを理解することは、ビジネスの現状を教えてくれるきっかけになりますが、実際にその指標や結果から『何を調整する必要があるのか』を判断するのは難しいところです。
継続的にコンテンツマーケティングを改善していくのに、各コンテンツを深く掘り下げ、どのように機能しているかを確認する必要があるということです。
コンテンツマーケティング効果を把握する5段階アプローチ

実際問題、コンテンツマーケティングの効果を把握する方法は1つではありませんし、正解もありません。
というわけで、以下に紹介する方法もその1つなんだと思ってください。
また「Content Marketing Institute」がシェアしてくれている以下のようなスプレッドシートを活用し、データをトラッキングしていけば便利ですね。

アプローチ①:プラットフォームごとのコンテンツを監査する
使用する全プラットフォームにて公開しているコンテンツを書き出し、タイトルごとに整理整頓します。評価について、はじめは小規模から始めるのが良いですね。たとえば、ブログ投稿が最高のパフォーマンスを示しているかを確認してから、他のプラットフォームに移行するといった感じです。
アプローチ②:各投稿から収集する情報の決定
投稿のタイトルだけでなく、どのような情報を収集すればマーケティングに役立つのか?
たとえば、
ⅰ) ライターは複数ですか?
→その場合、ライター別で追跡します。
ⅱ) フリーランサーを雇っていますか?
→その場合は社内で作成された投稿と比較し、投稿のパフォーマンスの違いを理解する必要があります。
ⅲ) 複数の種類のフォーマットでコンテンツを作成していますか?
→それぞれのフォーマットでどのように機能しているかを理解できるよう、各コンテンツをフォーマット別で列挙します。
ⅳ) トピックで投稿を分類していますか?
→投稿にカテゴリーを設定し、スプレッドシートで追跡することを強くおすすめします。これにより読者が最も興味を持っていると考えられるトピックが認識できます。
ⅴ) コンテンツの寿命は?
→コンテンツの寿命を考えます。トレンドを狙って機能しているのか?長期を狙って機能しているか?
上記のように、追跡する数値はわりとたくさんありますが、重要なのは、パフォーマンス評価として収集するデータを収集、そしてその使用方法を知ることです。
アプローチ③:投稿ごとのメイン指標を把握する
KPIを収集し、コンテンツがビジネス目標の達成に役立っていますか?
そして、どのメトリックをみるとそれが把握できますか?
たとえば、KPIの1つが「メルマガ読者」である場合、各投稿を読んだ後にメルマガに登録した人数を追跡する必要があります。
アプローチ④:各メトリックのベースラインを計算する
平均的な投稿は反応を受けるツイート数や、投稿あたりのメルマガ登録者数などの『平均値』を把握することは大切です。
収集したデータの単純な平均を取得し、どの投稿が平均を上回っているか、もしくは下回っているかを把握します。
スプレッドシートで色分けしてもいいですね。
例)緑:平均以上、黄色:平均、赤:平均以下
みたく視覚的に確認できるようになります。
また、月ごとに平均を追跡して、他の月に比べてコンテンツのパフォーマンスが良いか悪いかと確認することも面白いです。
アプローチ⑤:定期的なトラッキングドキュメントの更新
スプレッドシートの更新頻度を決定する必要がありますが、スプレッドシートは一般的に毎月更新することが推奨されています。
あまりにも頻繁にメトリックスを見ると安定した地位となるまでの時間が短い新コンテンツのパフォーマンスが弱く見えるかもしれませんが、これから作成するコンテンツを改善するのに、十分な頻度でデータを確認する必要もあります。
コンテンツのパフォーマンスの追跡に加えて、視聴者にとって最適なトピックとフォーマットを把握するためにいくつかの方法を確認してください。→フォーマットおよびトピックの選定をミスらないためには
コンテンツマーケティングの効果測定
効果測定は、簡単にも複雑にもなりえます。
また、コンテンツマーケティングの始めたての時はあまり頻繁に評価する必要もありません。
ある程度の仕組み、コンテンツ量ができてきて始めて評価可能となります。
何を測定すべきかわからない場合は、以下の2点に注目してください。
(「コンテンツマーケティングのデータトラッキング&効果を測定する方法」参照)
- そのメトリックはメイン目標と直接関係していますか?
- その指標に対して行動が起こせますか?(改善策に関する考察が得られるか?)
上記の質問に「はい」と答えられない限り、少なくとも最初はそのデータを収集する必要はないでしょう。
コンテンツマーケティングでトラッキングするKPIおよびメトリックスの例

コンテンツを作成する中で、初めは以下のような事柄に注目するのがよいでしょう。
- 今月の最高コンテンツは何ですか?
- 複数著者のブログの場合、どの著者がトップパフォーマーでしたか?
- どのフォーマットが視聴者の共感を読んでいますか?(共感がない場合、表示方法を変更する必要があるか、別のチャンネルに配置するか、そのフォーマットがあまり機能していないか)
- 視聴者の反響が良かったトピックはなんですか?
その他のトラッキングするKPI(メトリックス)の例
- Author
- Number of tweets
- LinkedIn shares
- Facebook “likes”
- Conversions to email subscribers
- Page views
- The format (e.g., whether it’s a podcast, an article from CCO, a contributed post, etc.)
- Topic category/categories for each post
本記事は「Effective Content Marketing: 5 Steps to Track Your Efforts」をもとにokamotoの考察や経験を踏まえ、解説・作成した内容です。